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酸化還元電位とは、物質中の酸化させる力と還元させる力の差を表した数値のことで、mV(ミリボルト)で表示します。
詳しくいうと、物質中に共存する酸化体(Mz+)と還元体(M(z-n)+)の間の平衡状態によって定まるエネルギーレベルのことです。この値がプラスなら酸化力が高く、マイナスなら還元力に優れていることをあらわしています。最近ではRedox(レドックス)電位ともいい、ORP値という表記もあります。
「酸化」とは電子を失う化学反応のことで、具体的には物質に酸素が化合する、もしくは物質が水素を奪われる反応です。
「還元」とは電子を受け取る化学反応のことで、具体的には物質から酸素が奪われる反応、もしくは物質が水素と化合する反応です。
皆さんが普段飲んでいる飲料水でもこれを計測することができます。おおむね都市部の水道は+450mVから+600mVで、名水と言われる湧いてからの時間が比較的短い水は+200mV程度からそれ以下です。
上述どおり酸化力が高い、または還元力が高いという能力を示す単位に、この「酸化還元電位(ORP値)」をつかいますので、都市部の水道水は酸化力が高いといえるわけです。
土壌における「酸化還元電位」とは、土壌に影響を与える微細菌や肥料や防除剤が他の物質を酸化しやすい状態にあるのか、還元しやすい状態にあるのかを表す度合いともいえます。
飲料水の広告では、活性水素量(マイナスイオン)が豊富な水が健康に良いとされ、ORP値でアピールしています。活性水素(マイナスイオン)は空気と熱により空気中に抜け出しやすく、あまり保存が効かないため、自然の湧き水などを取り寄せても取水後の時間経過によりほとんどORP値がプラスに振れてしまうため、さまざまな工夫で活性水素が減らない状態を保つ努力がされています。その目安がORP値なのです。
人間の体液、臓器は、本来マイナス還元状態にあることが望ましいとされ、食品栄養指導などにおいて、「抗酸化力の高い食品を食べましょう」というのを聞いたことがあると思います。「酸化還元電位が低い」ということは「還元力が強い」ということで「抗酸化力がある」とほぼ同意になります。
ひるがえって、植物の成長においてもさまざまなストレスで細胞内に活性酸素が生成され、ORP値は上がっていきます。この変化によってタンパク質分子の働きに制限がかかり、成長を阻害します。光合成により、葉緑体内の炭素固定系酵素を活性化させ、修復を試みる状態にすることが必要となります。つまりそれをうながすことがORP値を下げることであり、バイオスティミュラント資材を用いることで高ストレス(活性酸素が活発)状態に対して、還元の動きを活発化させることで耐性をつけることができるわけです。
特に
アイアンガードアクアは、-600mVをもつK3やイーストガードと混和すること(基本3種混和)で、二価状態をより安定させたうえで二価鉄イオンと過酸化水素の反応[Fe(II)+H2O2]=フェントン反応によりヒドロキシルラジカルと呼ばれる強力な活性酸素を発生させ、殺菌や有害物質を分解し成長を阻害するものを取り除くことで土壌を還元し、植物の成長をうながします。