近年の豪雨や酷暑に代表される気候変動。野菜や果物などの植物たちも多くのストレスを受けています。作物はさまざまなストレスにさらされながら生育し、そのストレスに負けずに生育したものを私たちは食料というかたちでいただいています。

肥料設計を完璧にし、病害虫を抑えても、それを上回る外的環境から受けるストレスは変化してきています。
従前来の農薬がターゲットにしていたのは、害虫、病気、雑草などの「生物的ストレス」です。

植物はそれ以外に高温や低温、過雨、少雨、日照や栄養素の過不足および環境汚染物質（ケミカルダスト）などの「非生物的ストレス」も受けています。

「生物的ストレス」による作物の減収は、特別な対策を講じなければ平均で40％にもなります。作付けした半分が収益にならない、場合によっては全く収穫できなくなることもあります。

2023年夏の異常気象は、気候という「非生物的ストレス」が土壌中の変化や雑草の異常発生という「生物的ストレス」をもたらすものでした。植物自身がこれに負けない性質（耐病性）を持つように合理的にデザインし、土壌改良と施肥・防除設計をするということが農業に求められるスキルとなりました。

バイオスティミュラントを日本語に直訳すると「生物刺激」。端的には「非生物的ストレス」を対象としています。従前の資材では対処不可能だったストレスを「生物刺激」でコントロールします。
「非生物的ストレス」と「非生物的ストレス」がもたらす「生物的ストレス」のダブルパンチに耐病性や免疫力を向上させる合理的な農業をするための技術です。

新しいカテゴリーの農業資材は腐植質、海藻、アミノ酸、鉄、ビタミン、微生物資材などかなり幅広いものです。土壌中の酸化還元電位を最適にし、根や葉からの適切な「生物刺激」で、丈夫な個体をもつ作物にし、食味や見た目という仕上がりに寄与します。

また、その材料の一部は我々の社会活動の結果出てくる廃棄物由来であったりもします。有益な残渣や廃棄物を適切に処理したうえで再度、社会に循環させるという点においても、持続可能な農業の発展に寄与することは間違いありません。

 

バイオスティミュラント資材は、液肥単体でもご使用になれますが、以下の組み合わせで効果的かつ効率的な施用が可能になります。そのため混和して施用することにそれぞれ名称をつけています。「トリプルガードで葉面散布をするといいよ」などの説明の場合は、この表１のとおり「YGイーストガード+IGAアイアンガードアクア+リーフフェラー」を混和させて使用します。トリプルガードは表２のとおり、おもに生育初期に使用します。作物や土壌状態、気候等により、適期も異なりますので、現地圃場を確認の上、提案させていただきます。

 

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